柿渋作り
7月11日、樹幹ネットワークと名人嘉野氏の協力により柿渋作りと郷蔵柿渋の塗り替えを行いました。
中山間地域の田舎だからこそ、昔ながらの知恵と素材が残っているのが江津です。
昔ながらの知恵と素材、人の繋がりで作るのも江津らしさと考え、作れるものはこの地域で作るのがこのリノベーションの活動の一つです。
今回柿渋を取らせていただいたのは、川越地区の島田さんのお庭です。
川越地区は、7月5日からの豪雨で江津市内で一番被害が大きかった地区です。
柿渋の原料となる柿は、渋柿の種類の刀根柿という品種になります。
昔から柿渋の原料として栽培されていましたが、今は使われることもなくあまり見ることのない品種です。
学生6人、庭木の説明を受けながら剪定ばさみや高枝切ばさみを使って刀根柿を採取。
刀根柿の収穫時期は、7月~8月にかけて梅雨が終わってからになります。
ってことで、梅雨明けのこの時期に合わせて採取しました。
袋一杯に採取したあとは、樹幹ネットワークの活動拠点である郷蔵に移動。(車で2~3分)
そこから、ヘタ取り、そして袋に入れて木づちで叩き潰します。それを水に浸して2~3時間待ちます。その待ち時間で、御昼ごはん&柿渋塗りをしました。
御昼ごはんは、地元のおばさまに作っていただいたカレーライスとキュウリ。
器は、隣に生えている竹を割っただけの器。そのまま使えるエコな食器です。使い終わったらそのまま山に返せばなんの問題もありませし、普通の食器よりおいしく感じるものです。
感じるだけでなく実際においしかったですよ。
食事が終わると、郷蔵の柿渋塗り作業です。
今回使用する柿渋は樹幹ネットワークが5年前に仕込んだ5年物の柿渋です。
熟成されるほど柿渋の濃さが増し、この柿渋の残りと今回作った柿渋と混ぜて色を調整し軍艦ビルのリノベーションに使用します。
その為の練習も兼ての作業です。
樹幹ネットワークの方の中には、今回の豪雨で被災した家もあり、少しの時間ですが作業の合間に床下浸水した家の家具を外に運び出す作業のお手伝いもしました。
柿渋作り最後の仕上げです。
水に浸しておいた刀根柿を絞ります。すでに少し土色に変化していました。
これが徐々に赤茶になっていくと思うとワクワクします。
また、柿渋の発酵過程で腐るのを防ぐために茄子をひとかけビンに一緒に入れます。
この茄子もすぐ横の畑でなっている茄子を採取したてのものを使用。
中山間地域ってホントにすぐ近くに活用できる素材があり、感動します!
最後に、嘉野さんが持ってきてくれた柿渋のかご。
昔は、柿渋で塗ることにより防水と耐久性を持たせてたんですね。
そういえば、太平洋戦争時に日本軍が本気で考えていた風船に爆弾を付けて飛ばしアメリカ本土を攻撃しようとした「風船爆弾」。実際は、一つも爆発はしなかったようですが、風船自体は本土まで何個か届いたとか。その風船は、実は和紙と柿渋で作られてたと聞きます。
そういえば、江津といえば和紙です。
9月は和紙を漉きます。その前に和紙剝き器から作りますのでお楽しみに。
いろいろあった充実した一日でした。
嘉野さん、樹幹ネットワークさんありがとうございました。
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