左官仕上げ
12月に入り、三日間に渡って左官作業を行いました。
左官仕上げは、大きく3つ。
一つ目は、瓦タイル。2つ目は、土壁。3つ目は、漆喰です。
それぞれにおいて江津らしさ、江津の素材として採用しました。
さらに、講師として江津市にある嶋田建築の女性左官職人嶋田さんにお願いしました。
Uターン者でもある嶋田さん。ありがとうございました。
1日目は、各仕上げと和紙仕上共通となる下地作業です。
石膏ボードの継ぎ目のパテ埋めです。
石膏ボードだけは、地域産材とはいきませんでした。
そのほかの材料は、合板、下地材も含めて地域産材です。
嶋田さんのご指導のもと、初めての作業も順調に行うことが出来ました。
さてさて、先ずは瓦タイル貼りから述べます。
左官作業の中でも木部を除く一番下の段を瓦タイルで仕上げます。
江津といえば、焼き物文化。
これも、昔は、都野津層の良質の土が取れ、燃焼度の高い松が豊富だったことから生まれた地域資源です。
まさに江津市のアイディンティティーです。
(瓦も使用しますが、それは後程。)
タイルは元石州陶苑で製造されていた瓦タイルを使用しています。
素材について詳しくは、ブログをご覧ください。
タイルを等間隔にボンドで貼っていきます。
貼り方は数種類のタイルを白色を中心に各自がバランスを考えて作業を進めました。
それから日を跨いで、目地埋め。目地にもこだわり、全体の色合いのバランスが取れるようベージュを採用。テクスチャも色々と試した結果、目地ゴテできれいに納めず、スポンジで拭き上げてザラザラとした仕上げにしてあります。
次は、土壁です。
一昔前には、多くの地域で土壁の家屋も残っていたことでしょう。
今では全国的には、あまり見ることはありませんが・・・
しかし、江津では当たり前のように今でも目にします。
そこに江津らしさを見ることも出来ますが、そこにも問題があります。
土壁は、昔からの江津らしさや日本らしさが感じられる素晴らしい素材ですが、空き家で土壁がボロボロに崩れている光景も多く目にします。
そこで、リノベーションでは土壁をリユースすることにしました。
土壁は、新建材とは違い、手間をかけることで何度も使用することが出来ます。
それにより、江津らしさ、更には、江津市内に残る空き家を資源としてとらえ、土壁を提案します。
パテにより、凹凸を亡くした下地に下塗り材を塗っていきます。
この作業は、漆喰の下地も同じです。
それから、中塗りとして土を一度薄く塗ります。
仕上げ塗りでは、土壁の風合いと強度を上げるために、藁を入れてあります。
昔から使われる技術で藁ももちろん江津産です。
学生に取っては、初めての土壁塗り。
それでいて、2㎝の厚塗りで仕上げます。
今後ヒビが入ることも想定し、ヒビ割れも意匠となるよう厚塗りを行いました。
左官作業の最後は、漆喰です。
漆喰は、江津本町の街並みとして多く使用されている仕上げであり、採用しました。
また、室内が明るくなると考え、上部に使用しています。
仕上げは、均一にきれいに仕上げるのではなくざらつかせ、さらに土壁と同じ藁を中に入れて塗り込んでいます。
それにより、和紙やタイル、土壁などと全体的な統一を図っています。
嶋田さんのご指導で、すべて順調に作業が進みました。
学生にとっても初めての左官作業であり、どこまで仕上げられるか不安なところもありましたが、嶋田さんのご指導と段取りのもと、学生もきれいに仕上げることが出来ました。
ただ、養生のあまく、漆喰のアクが木部についてしまい、一部黒く変色してしまいました。
学生と養生の大切さを痛感した次第です。
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